浅野拓磨が陥ったビッグクラブ移籍の
落とし穴。現地報道も加熱する事態
ここ2週間ほど、浅野拓磨(ハノーファー)が気の毒な状況に置かれているということが、ドイツでもセンセーショナルなニュースとして扱われている。レンタル元のアーセナルと、レンタル先で現在所属するハノーファーとの意向が合わず、試合に出ることができないというのだ。
ふだん、ブンデスリーガの日本人選手のニュースといえば、現地にいる日本人ジャーナリストばかりが興味を持つものだが、この件はアーセナルとハノーファーの契約の問題として、現地メディアも大きく取り上げている。
同僚の原口元気によれば、浅野は、試合にこそ使ってもらえなくなったが、腐ることなくトレーニングに励んでいるそうだ。
「元気ですよ。ひとりでずっと2部練して、走っています(笑)。頑張っていますよ。(我々にその話題は)話しにくい? そんなことない。彼だって、これからがあるんだから」
24歳の浅野には今後も長い選手生活がある。自分に落ち度のないことで、落ち込んでいるヒマなどないのは確かだ。
ベンチ外が続いているが、ハノーファーで練習を続ける浅野拓磨 時系列で振り返る。
3月上旬の段階では、今季終了時点で、ハノーファーは浅野をアーセナルから買い取る方向だった。キッカー誌などによれば、ホルスト・ヘルトSD(スポーツディレクター、選手獲得などのチーム編成における責任者)が、その意向を示していた。
当時、ハノーファーは17位と自動降格圏にいた。SDがチームの降格の可能性を考慮せずに来季の編成に関してコメントするわけがない。それは、「たとえ降格して、予算縮小を余儀なくされたとしても......」という前提での発言だった。
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