ロナウドの野望を粉砕。アヤックスはCL史に残る画期的チームだ
チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝で、アヤックスがユベントスに勝利した。第1戦は1-1。アヤックスはアウェーでの第2戦で1-2(通算2-3)の勝利を飾り、決勝トーナメント1回戦のレアル・マドリード戦に続き、今季CLの番狂わせの主役になった。
ブックメーカー各社の優勝予想にあてはめれば、1番人気対7番人気の試合。7番人気のチームが優勝候補の筆頭を破ったことになるので、予想外の結果となるが、内容に目を凝らせば、7番人気の順当勝ちだった。プレーの中身で上回ったチームがそのまま勝利を飾った。言うなれば実力勝ち。大事件が発生したという感じではなかった。
ユベントス戦で決勝ゴールを決めたマタイス・デ・リフト(アヤックス) とはいえ、試合はドラマ仕立ての展開だった。先制したのはユベントス。決めたのは第1戦同様、クリスティアーノ・ロナウドで、前半28分、ミラレム・ピャニッチが蹴った右CKをヘッドで合わせた得点だった。
試合は立ち上がりこそユベントスペースで推移したが、流れは15分過ぎあたりからアヤックス側に傾いていた。その矢先に生まれたゴールだった。
しかも決めた選手はロナウド。決めるべきエースが決めたことで、アヤックスの出鼻はくじかれたかに見えた。流れは再びユベントスに傾くかと思われた。
しかしこのゴールの価値は、アウェーゴールルールにのっとれば1点に満たない。実はアヤックスにとって、さほどショッキングな失点ではなかった。「1点奪えば逆転」という当初の意味合いが「1点奪えば同点」に変わったに過ぎなかった。1点が必要であるという状況は同じだった。
アヤックスに同点ゴールが生まれたのは、ロナウドのゴールにスタンドが沸いたわずか6分後の出来事だった。
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