久保建英を待ち受ける茨の道。
バルサBでは「メッシ二世」が毎年誕生

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sano Miki

 バルセロナが、久保建英(FC東京/17歳)の復帰を視野に入れているのはほぼ間違いない。"バルサの機関紙"とも揶揄されるエル・ムンド・デポルティボは、復帰を既定路線として書き立てている。マドリード系のマルカまでが「レアル・マドリードも興味を示している」と伝え、状況を煽っており、風雲急を告げつつある。

 久保が18歳になる今年6月、ひとつの結論が出るのだろう。ただし、もし復帰した場合でも、当面はトップチームではない。セカンドチームであるバルサBが主戦場になるだろう。

バルセロナ復帰がスペインメディアを賑わせている久保建英(FC東京)バルセロナ復帰がスペインメディアを賑わせている久保建英(FC東京) そもそも、バルサBとはどのような存在なのか。

 バルサBは、ラ・マシアと言われるバルサの育成組織の頂点と言えるだろう。ラ・マシアで育った選手たちが最終的に行き着く場所。そこで大人たちを相手にプレーし、試練を受け、「トップチームに昇格できるかどうか」の審判を下される。いわば登竜門。リオネル・メッシもアンドレス・イニエスタも、バルサBでのプレーを経て、トップに定着したのだ。

 バルサBは現在、2部B(実質3部)に所属している。昨シーズンまでは2部で戦っていたが、あえなく降格。今シーズンは第33節終了段階で6位と、昇格プレーオフを狙える順位(4位以内)を争っている。

 選手構成は基本的に、「U-21バルセロナ」に近い。現在は「ジョゼップ・グアルディオラに近い」と言われる戦術家、ガルシア・ピミエンタ監督が率いている。ピミエンタはラ・マシアで、メッシ、ジェラール・ピケ(バルセロナ)、セスク・ファブレガス(モナコ)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、セルジ・ロベルト(バルセロナ)などを指導してきた実績がある。

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