ネイマールの食事、収入、車、家、親友...。その型破りな私生活 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 2006年から、ネイマールの肖像権は父親が運営するN&Nという会社が管理し、広告収入の85%はこの会社のものとなる。ネイマール自身の懐に入るのは15%で、ブラジルの新聞のよると彼の給料は月額およそ50万ドル(約5500万円)くらいだという。

 ネイマールの会社で5年間一緒に働いたある人物は、私にはっきりとこう言った。

「ネイマールはもう何をしていいかわからない。そんな人物を見たのは生まれて初めてだ。彼はピアノを少し習った以外は、他人から何も学んでいない。それなのに金はどんどん入ってきて、出てはいかない。ときどき車を買ったりもするが、ほんの慰み程度だ。あとはサントスで1500人の貧しい子供とその家族を支援するぐらいだろう」

◆ジト
 ネイマールは今でもピッチに入る時、子供時代、フットサルを楽しんでいたのと同じ気持ちであるという。8歳の時に、小さなフットサルチームのコーチたちは、この華奢な少年の才能に打ちのめされた。

 ある日、ひとりのサントスのサポーターがネイマールのフットサルのプレーに目にして、すぐにある偉大な人物に少年のことを告げた。その人物とはジョゼ・エリー・デ・ミランダ。ブラジル代表のレジェンドで、1958年、62年と2度世界チャンピオンに輝き、当時はサントスのユース部門の責任者を務めていた。ジトと呼ばれ、かのペレに何をすべきかを意見できた唯一の人物である。

 ある土曜日の午後、ジトはネイマール少年のフットサルを見に、サントス市でも貧しい地区の粗末なグランドに足を運んだ。

「なんというプレーだ!」

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