CL決勝トーナメント展望。3連覇中のレアルを止めるクラブはどこか (3ページ目)
小澤 はい。過去アトレティコは昨シーズンまでロナウドに再三痛い目に遭ってきました。CLファイナルでは2度やられ、16-17シーズンの準決勝でもやられています。僕は1節のバレンシア戦から今シーズンの優勝候補筆頭はユーベだと見ていましたので、アトレティコにとっては相当に厳しい戦いになると予想しています。
そのアトレティコのシーズン前半戦は守備陣に故障者が続出し、なかなかレギュラー陣が揃いませんでした。たとえばフィリペ・ルイスは夏にパリに移籍すると言われていて、それが破談になってチームに残りましたが、もはや心ここにあらず。故障もありましたし、正直、今季はほとんど戦力となっていません。本来ならリュカ・エルナンデスが代役を務めますが彼も故障でコンディションが上がってこないので、ディエゴ・シメオネ監督は急遽サウール・ニゲスを左サイドバックで起用しています。
それに加え、もしリュカ・エルナンデスがバイエルンに移籍してしまうと、その穴は簡単には埋められないでしょう。彼は今後10年、アトレティコのディフェンスラインのリーダーになるであろうと言われている選手ですから、相当なダメージになると思います。もちろんディエゴ・ゴディン、ホセ・マリア・ヒメネス、ステファン・サヴィッチは健在ですが、その辺が不安材料ですね。
また、前線ではジエゴ・コスタもケガをしています。このユーベ戦に間に合わせるためにリハビリに励んでいますが、もし間に合わない場合は攻撃の部分でも不安が出てきます。代役としてはニコラ・カリニッチがいますが、ジエゴ・コスタと比べると局面での勝負強さ、決定力で劣りますし、戦力ダウンは否めません。
倉敷 アントワーヌ・グリーズマン以外に計算できそうな点取り屋がいないという状況が考えられるわけですね。グリーズマンの調子はどうなのでしょうか?
小澤 前半戦はワールドカップの疲れを引きずっているように見えました。明らかにフレッシュな状態ではないですし、その辺も懸念材料になっていると思います。
逆にプラス材料としては、中盤にロドリゴ・エルナンデスが加入したことでしょう。現在はスペイン代表でもセルヒオ・ブスケツの後継者と言われていますが、アトレティコでもフィットしていると思いますし、彼の加入によって中盤でボールがさばけるようになっています。また、右サイドバックのファンフランは年齢を重ねたことでフルに活躍できる状態ではありませんが、このポジションにはコロンビア代表のサンティアゴ・アリアスが加わったことで戦力アップしています。
倉敷 ユベントスについてはいかがですか?
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