堂安律の移籍報道に迫る。5試合視察のニューカッスル「本気で狙う」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「特定の選手について話すことはできない。クラブ内でミーティングを開き、補強ターゲットとなっている選手について話し合う予定になっているが、さっきも言ったとおり(1月の市場開始を2週間後に控えた)今、堂安について聞かれても何も話せない」

 この間、ベニテス監督はずっと笑顔。囲み取材後には、質問をぶつけた日本人記者に握手を求め、ウィンクまでして去っていった。

 もちろん、ベニテス監督は核心部分を語ってはいない。しかし、堂安の報道を強く否定することもなかった。むしろ、ベニテス監督の表情や話しぶりは、市場開幕前の今のタイミングで興味を公(おおやけ)にすることはできない、とでも言いたげな様子だった。地元紙イブニング・クロニクルの報道を踏まえて考えても、冬の補強リストのなかに堂安の名前が入っている可能性は高そうだ。

 では、なぜニューカッスルは堂安を欲しているのか。そこには、ニューカッスルが抱えている大きな問題が潜んでいる。攻撃力不足だ。

 プレミアリーグ第17節までにニューカッスルが記録した得点数は「14」。この数字はリーグワースト2位タイの少なさで、貧打が低迷の要因のひとつになっている。

 しかも、攻撃の編成にも苦戦している。3、4人が有機的に絡むアタックは皆無で、現状、自陣深くからロングカウンターに懸けるしか術(すべ)がない。攻撃的MFの補強は火急の課題であり、クラブはサイドMFをこなせる選手を探しているという。それゆえ、オランダで結果を残している堂安に目をつけたのだろう。

 もちろん、マンチェスター・Cやアヤックス、PSV、ユベントス、アトレティコ・マドリードなどに興味を示されている堂安だけに、移籍先はニューカッスルに限られているわけではない。

 たとえば、マンチェスター・Cを選べば、チャンピオンズリーグに出場できるほか、名将ジョゼップ・グアルディオラ監督の指導を受けられるメリットがある。ただ、分厚い選手層が行く手を阻み、レギュラーの座を掴むのに相応の時間を要するだろう。

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