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語り継がれるスーペルクラシコ。W杯で日本を苦しめたレフティが輝く

  • セルヒオ・レビンスキー●取材・文 text by Sergio Levinsky 井川洋一●翻訳・構成 translation by Igawa Yoichi
  • photo by Nakashima Daisuke

 暴力、政治、敵愾心、情熱、そして奇妙で残酷なエンディング──。フィクション映画のような筋書きを経て、最終的にマドリードで開催されることになったコパ・リベルタドーレス決勝は、ピッチ上でもドラマが続いた。

 ボカ・ジュニオルスとリーベル・プレート。アルゼンチンの2大クラブの本拠地ブエノスアイレスから1万キロ以上離れたサンティアゴ・ベルナベウでの一戦は、スペイン首都の寒空のもと、"ついに"キックオフの笛が吹かれた──。

 本来、この第2戦はリーベルの本拠地モニュメンタルで11月24日に予定されていたが、リーベルのファンがボカの選手たちを乗せたバスを襲撃し(ブロックが投げられて窓が割れ、負傷した選手も)、延期され、別の大陸で開催されることになり、両チームとファン、そして優勝トロフィーが海を渡ったのだ。

 来季から一発勝負となるため、2試合制の決勝はこれで最後。しかも史上初のスーペルクラシコのファイナルだ。パウロ・ディバラ(ユベントス)やハメス・ロドリゲス(バイエルン)、ディエゴ・シメオネ(アトレティコ・マドリード監督)ら、欧州のトップクラブに所属するビッグネームたちも駆けつけた世紀の一戦で、先手を取ったのは青と黄色のアウェーチーム、ボカだった。

 襲撃により目を負傷した主将のパブロ・ペレスがゴールに迫るも、リーベルのGKフランコ・アルマーニに阻まれる。だが44分のダリオ・ベネデットの見事なフィニッシュには、名手アルマーニも成す術がなかった。それ以前から、7万2000人超の大観衆は凄まじいノイズを生み出していたが、先制点が決まった瞬間、スタジアムは文字どおりに揺れた。

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