必死になっても勝てないバイエルン。5位低迷と何かが起きている? (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 試合では、序盤からアウェーのバイエルンが猛攻をしかけた。まさになりふり構わない攻撃で、ロベルト・レバンドフスキのゴールにより先制する。だが、後半になると流れは徐々にドルトムントに傾き、最後は途中出場のパコ・アルカセルが決勝点を挙げて、3-2でドルトムントが勝利を収めた。試合終盤には、バイエルンのGKマヌエル・ノイヤーまで相手ゴール前に上がって得点を狙い、逆にカウンターをくらってフランク・リベリーが必死の守備を見せるという、まさに必死になったバイエルンが見られた。

 これでバイエルンと首位ドルトムントとの勝ち点差は7にまで広がった。優勝しても監督のクビをすげ替えることのあったバイエルンにとっては由々しき事態である。

 クロアチア人のコバチ監督は、現役時代にバイエルンでプレーした経験があり、完全に外部から呼んできた指導者という受け止め方はされていない。しかも、低迷していたフランクフルトを立て直し、ヨーロッパリーグ出場に導き、昨季はドイツ杯で優勝するなど実績も十分だ。「間違いなくいい監督」と、長谷部誠も絶賛している。

 それがなぜバイエルンではうまくいかないのか。昨季から大きくメンバーが変わったわけではなく、戦力的には他を圧倒しているのだから、やはり今のところ、コバチとチームの相性が合っていないと言わざるを得ない。

 具体的な戦術への批判が特に出ているわけではないが、あえて昨季までとの違いを言えば、守備面での規律を求めていることと、スタメンが毎試合のように変わることが挙げられる。後者についてはハメス・ロドリゲスが「我々は(選手を入れ替えて競争させることで勝てた)フランクフルトではなく、バイエルンだ」と批判したと言われ、話題になったが、コバチ監督はこれを否定している。

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