バルサに歴史的勝利も乾貴士は浮かぬ顔。「チームに迷惑をかけた」 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi 中島大介●撮影photo by Nakashima Daisuke

 乾が出場した時点でベティスは2-4とリードしていたため、チームメイトは試合終了の笛が鳴るのを待ち望んでゆっくりと時間を潰すプレーをしていたが、乾は攻撃的なポジションの選手として、ゴールを目指して攻める気持ちを捨て切れずにいた。

「ボールを失うなとは言われたけど、攻めたい気持ちが出ちゃって、ああやってボールを失ってしまった。そこはチームに迷惑をかけちゃったなという感じだけど、勝てたのでよかったと思う。そこはしっかり反省しないといけない」

 乾がそう振り返るのは、アディショナルタイムの、バルセロナの3点目につながったパスミスのシーンだ。左サイドから右サイドへつなげようとしたパスを相手DFに奪われ、最後はこの試合でケガから復帰したメッシの、この日2点目のゴールにつながった。

「ボールに3回ぐらいしか触っていない。その中で1、2回ボールを失って、そのうちの1回が失点につながっている。やりたいことはまったくできていない。短い時間の中でやる(結果につながるプレーをする)ことは難しいことだと思うけど、チャンスはそこでしかないと思っているので、短い時間でもしっかりやらないといけない」

 最近、セティエンのチームのヒエラルキーは落ち着いてきた感がある。この試合でもゴールを決めたロ・チェルソとセルヒオ・カナレス、それにウィリアム・カルバーリョといった選手が監督の信頼を得ており、最近の起用方法を見ても、残念ながらこのグループに乾は入っていない。

「タカシはまだ我々が期待しているレベルではない」

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