今季2得点目の大迫勇也。ある動画が予感させたブレーメンとの好相性 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 重要なのは、大迫がこうした起用法をネガティブにとらえず、むしろ新しい役割にも前向きに取り組んでいることだろう。ブレーメンに加入して以来、大迫は「やっていて楽しい」と、ケルン時代とはまるで違う表情を見せるようになった。前線でコンビを組むマックス・クルーゼやマーティング・ハルニクにも一目置いており、「彼らとコンビネーションで何ができるか」を模索している。そこには、これまでにない主体性が感じられる。

 もはや今季の新加入であることが信じられないほどブレーメンに馴染んでいる大迫だが、早い段階からそれを予感させた動画がある。ブレーメンのオフィシャルYouTubeチャンネル内に置かれた「Butter bei die Fische」という動画シリーズだ。直訳すれば「魚料理に添えられたバター」。バターが添えられてなければ、その魚料理はパサパサになり価値も半減するという意味のようだ。

 この動画シリーズでは、ブレーメンの選手に対して、2択の質問を大量に浴びせかけて答えさせている。「大迫編」はロシアW杯前の5月、おそらく契約を結んだ直後に撮影され、アップされた。

 質問内容は「これまで所属していたケルンの赤白と、ブレーメンの緑白。どちらが好きか?」「寿司か、シュニッツェル(ドイツの肉料理)か?」「(クラウディオ・)ピサーロか、タカハラ(高原直泰)か?」「Jリーグか、ブンデスリーガか?」「アニメか、マンガか?」などといった、ベタなものから、微妙なところを突いた答えにくいものまで。これに大迫はドイツ語で、冷や汗をかきながらも終始にこやかに答えている。

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