イタリア代表、再生への長い道のり。「昔々、点の獲れるCFがいた」 (2ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ネーションズリーグは、今シーズンより始まった新たな試みの大会。どうでもいいとサポーターや選手に軽視されてきた親善試合に、より重みを与えるためにUEFAが新たに編み出した技である。その試合の結果も、ダイレクトではないものの、次のヨーロッパ選手権の組み合わせに影響してくる。そして、もしかしたら次のカタールW杯欧州予選にも......。

 ただし、ポーランド戦に誰もが満足しているかといえば、答えはNOだ。イタリアの再生への道のりは、長く困難なものになる。

 舵取りをするマンチーニは経験豊富な監督だが、次々と襲ってくる荒波に苦労している。

 なによりも困難なのは、2006年のW杯優勝以降の世代の不在。早い話が、今のイタリアには優秀な選手が少ないということだ。アレッサンドロ・デル・ピエロ、フランチェスコ・トッティ、アンドレア・ピルロ、ジャンルイジ・ブッフォンの時代に比べると、今の選手たちは明らかに小粒だ。そのためマンチーニは、思いきった若返りを図っている。絶対に失敗が許されない4年後のカタールW杯を見据えての采配だ。

 システムは4-3-3でほぼ固まっている。正GKはジャンルイジ・ドンナルンマ(ミラン)。これは議論の余地がない。

 センターバックはレオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ(ともにユベントス)のベテランコンビ。若手の多いチームの精神的主柱という形だが、要は他に替わりがいないのだ。それに比べると両サイドバックはもう少しマシで、アレッサンドロ・フロレンツィ(右)が右、ビラーギが左。ベストとは言いがたいが、ロベルト・カルロスもカフーもいないのだから、彼らで妥協しなければならない。

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