必見のグアルディオラの戦術。CL制覇を狙うマン・シティ最大の特徴は? (4ページ目)

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小澤 リヨン戦でのフェルナンジーニョは必要以上に攻撃的で、アタックの時に無理に割って入っていくシーンや、強引なドリブルでの持ち上がりが目に付きました。そこでボールを奪われた時には当然アンカーのポジションのエリアが空いてしまうので、その辺をうまくリヨンに使われていました。

倉敷 バイエルン時代にペップ・グアルディオラが、いわゆる5レーンという攻撃のラインを縦に割った形にする方法を世間に紹介しました。シティにおいては、そこはどれくらいうまくできているでしょうか。

小澤 基本的には5レーンに人を均等に配置しつつ、とくにボール保持時には各レーンに人を置くことで角度の付くパスコースをきちんと作ってボールを前進させようとしています。GKから相手をはがしていくような場面もそうですが、ワンタッチでリズム良くパス回しをできています。なので、後ろ向きの選手は前向きの選手にワンタッチでパスを返して、前向きの選手をフリーで持たせる形が多く見られます。そういった各選手の立ち位置もかなり細かく指導していると思うので、ある意味、選手はすでにオートマチックにできるようになっている印象があります。

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倉敷
 ペップは時代を先行する旗手ですから常に研究されるのが宿命という感じですね。古巣であるバイエルンにはアウトサイドでプレーするスペシャルなベテランがいます。ペップの時代から真摯にサッカーに打ち込んでいる彼らは、今もストイックに自己管理をしているのでコンディションも良く、ニコ・コバチ監督は両翼の幅を心配することはないでしょう。ではシティの場合、幅を取るためにはどの選手がカギになりますか?

中山 そこは、レロイ・サネがカギになるでしょうね。リヨン戦でも途中から彼を入れることで変化が起きました。ただ、その時にリヨンは右サイドバックのラファエル・シウバを下げてレオ・デュボワを投入し、すばやく対応したので事なきを得ましたが、サネのスピードとテクニックは相手にとっては間違いなく脅威になると思います。

 それと、シティは左サイドバックのメンディが故障していたこともあって、その間はデルフが左サイドバックを務めていましたが、メンディが復帰したのでサイドの攻防でまた違った状況が生まれると思います。今シーズンのメンディを見ていると、ようやくペップのサッカーを理解し始めてきた印象を受けますし、まだまだ荒削りでミスも多い選手ですが、のびしろという部分ではまだまだ期待できると思います。

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