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全員代表クラス。レアル・マドリードを
悩ます「GK多すぎ問題」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 ペレス会長は、チームを経済的に立て直している。その点では偉大な会長に数えられるだろう。しかし、選手補強では"人気主義"が強く、若手を偏って好むところがある。裏を返せば、それがマーケティングで有利に働くためだが、かつてはその理念を象徴する「ジダネス・パボネス」(ジダンのようなスター選手とフランシスコ・パボンのような下部組織の若手選手の融合)という言葉があった。人気を誇ったデイビット・ベッカムも、その一環で入団したのだ。

 一方で、ペレスは現実的補強には消極的だ。昨シーズンも、アルバロ・モラタの代わりとなる選手を補充していない。また、給料アップを望むベテランは簡単に切る(クリスティアーノ・ロナウドは給料アップを断られた格好だ)。そして、自分の政策に反する人間を著しく嫌い、ジダンのように実績をあげた監督でも切ろうとしていた(CL決勝に負けた場合には、マウリシオ・ポチェッティーノ監督との間に密約があったといわれる)。

 そのペレスの構想において、ナバスは"人気"一番手ではない。クルトワは体格に優れ、手足が長く、立ち姿も威風堂々としている。飛び出しに優れ、守備範囲も広く、いわゆる見栄えがいいGKだ。

 興味深いのは、マドリディスタ(レアル・マドリーファン)も現状に満足していない点だろう。

「ナバスorクルトワ」

 スペインの大手スポーツ紙「マルカ」がインターネットサイトで投票を呼びかけたところ、7割近い人が"新参者"クルトワを支持している。

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