岡崎慎司は4年後のW杯を目指す。ライバル出現も「ゆっくりやる」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 足もとの技術に優れ、パスセンスと決定力も秀逸。昨シーズンはイングランド2部リーグでクラブ最多となる14ゴールを挙げた。クロード・ピュエル監督の評価も高く、プレミアリーグ第3節までの全試合でトップ下として先発出場している。クラブが期待を寄せているのは、21歳のマディソンに10番の背番号を与えていることでもうかがえる。

 岡崎も「監督は昨シーズンからやっていることを継続している。誰が中心選手というより、まだ模索している段階」と前置きしながらも、「マディソンは王様的なスタイルなので、彼がチームの中心になる。マディソンのところにボールが全部集まるので、それを中心としたサッカーに変わる」と、マディソン加入後のチームの変化を肌で感じ取っている。

 当然、これまで4-2-3-1のトップ下を主戦場にしてきた岡崎にとっては強力なライバルが現れたことになるが、日本代表FWは「今年1年は、ゆっくりやっていきたい」と打ち明ける。その言葉の真意を次のように説明した。

「焦りがないわけではないけど、去年とか一昨年みたいに『試合に出たい、試合に出たい』という気持ちよりは、自分の感覚を大事にしたい。自分が100%の状態でプレーできれば、必ず試合に出られるし、出たら結果を出せるという気持ちでいる。

 そういう意味では、まずは身体を完全フィットさせて、ゆっくり、ゆっくりやっていきたい。そんなに時間があるわけではないですけど......必ずチャンスは来るので。その時のために今、身体を完全にいいコンディションにしたい」

 こうした岡崎の考えの裏には、4年後のW杯がある。目指すは2022年のカタールW杯だ。

「4年後のW杯も見据えている?」

 記者団からそう質問が飛ぶと、岡崎は「そうですね」と答えて言葉を続けた。

「今年は、そのための1年にしたい。試合に出たいからといって、焦って試合に出る、練習するではなくて、今後は自分の足と話し合っていかないといけない。だから、重要な1年。この1年でどう自分が変われるかで、次の3年がW杯にどのように向いていくか。そこまで考えての1年にしたい」

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