もはや「モドリッチの大会」か。クロアチアの栄冠へ獅子奮迅の大活躍 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 今大会はすでにクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)が、リオネル・メッシ(アルゼンチン)が、ネイマール(ブラジル)が、チームの敗退とともに姿を消した。大会の顔となりうるスター選手の存在という点では、やや地味なワールドカップとなっているが、彼らに代わって大会の顔になる可能性を秘めているのが、モドリッチではないだろうか。

 言うまでもなく、モドリッチはこれまでレアル・マドリードの一員として、数々のタイトル獲得に貢献してきた。高い技術と豊富な運動量を誇るプレーメイカーは、スターぞろいのチームにあっても際立った存在ではあるが、スーパースターのC・ロナウドとの比較で言えば、玄人受けするタイプの選手である。

 だが、今大会では、アルゼンチン、ナイジェリアと同組という厳しいグループリーグを3戦全勝で首位通過するなかで、モドリッチは圧倒的な存在感を見せつけている。なかでもアルゼンチン戦で決めたミドルシュートは、間違いなく今大会のベストゴールのひとつに数えられるスーパーゴール。大会のクライマックスである準決勝以降の2試合の活躍次第では、2018年のワールドカップは「モドリッチの大会」として記憶されることになるかもしれない。

 モドリッチは今年5月、レアルでUEFAチャンピオンズリーグ3連覇を達成。これに続き、クロアチア代表としてワールドカップ制覇となれば、クラブと代表の両方で最高のタイトルを手にすることになる。

 そして、もしそれがかなったとき、有力視されるのが、モドリッチのバロンドール獲得である。

 このところのバロンドールは、メッシとC・ロナウドふたりの独占状態にあり、もしモドリッチが獲得すれば、2007年のカカ(ブラジル)以来、11年ぶりにメッシとC・ロナウド以外が受賞することになる。いわば、2大スーパースターの時代に終止符を打つのが、モドリッチになるというわけだ。

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