自虐キャラになったレバンドフスキ。吉田麻也も「怖さはなかった」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki スエイシナオヨシ●写真 photo by Sueishi Naoyoshi

 吉田麻也は試合後にそう明かしているが、こちらの方が実像に近い。

「もちろん、後半のカウンターの場面とか、ここぞというときに出すエネルギーはすごかったです。でも、全体的にはやる気がなかったというか。バイエルンでやっているときとは違ったと思います」

 事実、ゴールマシンのような男がシュートの形までろくにもっていけていない。吉田が言うように、カウンターからポストに入り、決定機を演出したプレーには片鱗が出ていた。それでも、本来の出来には程遠かった。

 結局のところ、ポーランドは絶対的なエースであるレバンドフスキが沈黙したとき、特色の薄いチームになっていた。セットプレーの高さを生かしてヤン・ベドナレクが得点を決め、どうにか勝利を飾ったものの、プレー内容は凡庸だった。サイドが機能せず、守備に不安を抱え、ほとんど力を出し切れなかった。

 もし、日本がコロンビア戦、セネガル戦と同じ先発メンバーを用いていたら――。この日のポーランドならば、互角以上の戦いができていたのではないだろうか。

「我々は満足にゴールチャンスを作ることができていない。そのなかで、私にできることは乏しかった。我々はとても弱かったということだ」

 日本を相手に誇りを守る勝利を収めた後も、レバンドフスキはほとんど自虐的にそう振り返っている。
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