2018.06.22

堂安律がビビりながら監督に迫り、
信頼を得たオランダ1年目を振り返る

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

堂安律インタビュー@前編

 ガンバ大阪で頭角を現した堂安律がオランダのフローニンゲンにレンタル移籍することが発表されたのは、昨年の6月23日――。それは、6月16日生まれの堂安が19歳になってから、わずか1週間後のことだった。

オランダから帰国した堂安律に今シーズンを振り返ってもらった 日本人選手がヨーロッパでプレーすることが珍しくなくなった現在においても、10代で移籍のチャンスを掴む選手は数少ない。また、過去には宮市亮(当時アーセナル→現ザンクトパウリ)、宇佐美貴史(当時バイエルン→現デュッセルドルフ)、高木善朗(当時ユトレヒト→現アルビレックス新潟)など有望なタレントが10代で海を渡ったものの、残念ながら、そこで成功を手にして順調にステップアップした例はほとんど存在しないというのが実情だ。

 しかし堂安は、そんなネガティブな過去の例を覆(くつがえ)すような活躍を見せ、オランダ北部のスモールクラブの「期待の星」となった。レギュラーの座を獲得してリーグ戦29試合(先発28試合)に出場し、9ゴールをマーク。12位で終わったチームのなかで傑出したパフォーマンスを見せたことにより、移籍市場の注目株として脚光を浴びるようにもなっている。

 タレント不足が叫ばれて久しい日本サッカー界に、ようやく現れたダイヤモンドの原石――。これから磨けば磨くほど、無限の輝きを放つであろう10代のタレントが過ごしたオランダでの1年とは、果たしてどんなものだったのか?

 近い将来、日本サッカー界を背負って立つであろう注目の若武者が、充実のシーズンを振り返ってくれた。

―― 初めて経験したヨーロッパでのシーズンを振り返って、率直な感想をお願いします。

堂安律(以下:堂安) ベタな答えですけど、今振り返ってみると本当に充実した1年でした。でも、その充実したシーズンのなかには、いいときばかりじゃなくて、悪いときもありました。最初のころはチームメイトと仲良くなれなかったり、差別を受けることもあったり……。そういう状況だと、練習や試合で僕のところにパスが回ってこないんです。そういう悪い時期から這い上がって、よくすることができたことを考えると、今後につながる1年になったと思います。