欧州サッカーで増えた大量ゴール。誘発する「ストーミング」とは? (3ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki


■2017~18シーズン
●ラウンド16
バーゼル 0-4 マンチェスター・シティ(第1戦)
ポルト 0-5 リバプール(第1戦)
バイエルン 5-0 ベシクタシュ(第1戦)
バルセロナ 3-0 チェルシー(第2戦)

●準々決勝
バルセロナ 4-1 ローマ(第1戦)
ユベントス 0-3 レアル・マドリード(第1戦)
(ユベントスはアウェーだった第2戦で一時3点をリード、得点合計で3-3に追いついたが、後半ロスタイムの98分、レアルのクリスティアーノ・ロナウドにPKを決められて敗れた)
リバプール 3-0 マンチェスター・シティ(第1戦)
ローマ 3-0 バルセロナ(第2戦)

●準決勝
リバプール 5-2 ローマ(第1戦)
ローマ 4-2 リバプール(第2戦)

 2017~18シーズンのラウンド16の3試合の結果は、現代サッカーの財政格差からも説明できなくはない。ひとことで言えば、ビッグクラブが小さなクラブを粉砕したということだ。しかし、どの試合でも、ビッグクラブのほうが小さなクラブに対してストーミングを長時間にわたり仕掛けていた。勝敗が決したように見えても、後方からゆっくりつなぐような試合はしなかった。

 ここまで読んで、少ないサンプルから大げさな理論を導き出そうとしていると思った読者もいるだろう。超攻撃的なストーミングが一般的になっていることを示すデータを、さらに挙げてみよう。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る