原口元気と宇佐美貴史、ブンデス2部優勝で西野監督にアピールなるか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

「しっかり粘り強くやっていたし、そのなかでうまく1点を獲って、守り切れたらよかったんですけど、やっぱり(キールは)3位のチームだけあって、最後に決めてくるのは他のチームとは違うなと思います。キールはボールをすごく大事にして、だけど前にくるチームなので、守備に追われる時間が長かった。後半、ある程度ボールを持ち始めてからは自分たちの攻撃もうまくいったけど、まあ、こんなもんじゃないですか」

 原口は、デュッセルドルフを1部昇格に導き、優勝させるために1部ヘルタ・ベルリンから移ってきたと自認している。それだけに結果に対する責任感は強く、第28節でダルムシュタットに敗れたときは「敗因は俺」と自らを責めたほどだ。ホーム最終戦で勝ち切れなかったことに、終始、納得がいかないという顔だった。

 一方、宇佐美はすっきりした表情で現れた。

「キールは、前半戦でやったときも相当いいチームだなと思いましたし、わりとボールを保持されることも想像しながら、攻撃力、破壊力があるチームなので、そういう部分を警戒しながらやろうと思っていました。前半に関しては両サイドでボールを触って、という展開でしたけど、後半の最初から中盤くらいにかけてはほとんどボールを触ってなかった。トップ下に移ってからボールも触れるようになって、少し押し返すことができたかなと思います。

 昇格を決めた後の試合はモチベーション的には難しいというところがやっぱりあった。昇格を決めた日とその次の日は、町全体で気を抜いているような感じだった(笑)。難しい試合になるだろうなとは思っていたので、予想通りの展開だったと思います」

 宇佐美の話は自然と、この試合を訪れていた西野朗日本代表監督のことになった。

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