CL準決勝リバプール対ローマはどちらが挑戦者か。熟練の3人が探る (2ページ目)

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中山 僕も、ディ・フランチェスコがどういう意識でリバプール戦に臨み、どのシステムを使うのかという点に注目しています。倉敷さんがおっしゃるように、確かにアンフィールドでの第1戦を、3バックにしてバルサ戦のセカンドレグのように攻撃的に戦うのはリスクがあると思います。普通にいけば、ディ・フランチェスコは慣れている4-3-3を採用する可能性が高いでしょう。

 ただ、実力的にはリバプールが上回っている以上、ローマはアップセットを起こすための仕掛けを用意しておかなければいけません。そこでディ・フランチェスコが再び「我々に失うものは何もない」と考え、意表を突いて3バックで攻撃的に出たとしたら、さすがのユルゲン・クロップも面を食らうと思いますし、恐怖を感じるのではないでしょうか。

 ローマが勝つ道はそこにあるような気もしますし、願望を込めて、リバプールが攻撃的に戦うローマとハイプレス合戦をするという試合をぜひ見てみたいです。

倉敷 確かにそれは面白そうですね。それに、バルサ戦の後のローマダービーでもディ・フランチェスコは3バックを採用していて、何か3バックに確信を得られたようにも見受けられます。ラツィオが3バックのチームだからということもあるかもしれませんが、その試合では中盤の並びをバルサ戦の時と少し変えて、3−4−3にして戦っていました。

小澤 確かにディ・フランチェスコのキャラクターからして、もう失うものはないのでアグレッシブに行くという選択はあるかもしれませんね。ただ、やはりローマにとって難しいのはあくまでも第1戦のアンフィールドでの戦いであって、リバプールはカウンターを武器にしたトランジションサッカーであることを考えると、ローマは相手にボールを持たせるかたちの方がいいと思います。

 そうなると、今まで通りの4バックに戻して引き気味にスタートしようという考えが順当だと思いますし、ディ・フランチェスコはそっちを選択するのではないでしょうか。その中で、前線のジェコにボールを入れて、そこからセカンドボールの処理をしながら攻めるかたちが妥当でしょう。

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