「メッシ後継」を探すバルサが惚れた、あの童顔ストライカーの息子 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by VI Images/AFLO

 そこで、バルサユースとバルサBのテクニカルディレクターを務めるホセ・マリア・バケーロが挑んでいるのは、「20歳前後の若く有望な選手をバルサBに入れて色を染め、トップチームに上げる」という試みだ。

 去年の夏には、昨シーズン2部バジャドリードで頭角を現したFWホセ・アルナイス(22歳)を340万ユーロ(約4億5000万円)で獲得。アルナイスはバルサBで活躍を見せ、スペイン国王杯で鮮烈なトップデビューを飾っている。相手を置き去りにする脚力と高い精度のシュートを持つ。現在はケガで戦列を離れているが、期待は高まる。

 続いて2018年1月には、ベティスのFWマティアス・ナウエル(21歳)を貸し出しで手に入れている。ナウエルはアルナイスの不在を埋めるようにゴールを連発。アルゼンチン・ロサリオ生まれの左利きのアタッカーだけに、「メッシの再来」の呼び声も高い。ビジャレアル、ベティスでは不遇をかこったが、バルサの水が合っているようだ。

 そして、なかでもバケーロがいま「ご執心」と言われるのが、アヤックスのユスティン・クライファート(18歳)だ。

 ユスティンは、かつてアヤックス、バルサで活躍したオランダ代表FWパトリック・クライファートの息子。ポジションは華麗なポストワークを武器にした父と違い、アヤックス伝統のウィングプレーヤーだ。

 スピードがあるだけでなく、緩急をうまく用い、スキルも優れており、左右どちらからもゴールに迫れる。昨シーズン、頭角を現してヨーロッパリーグ決勝を戦い、今シーズンはすでに主力としてプレー。ゴールも着実に増え、プレーの幅は広がっている。

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