よく聞く大ケガ「前十字靱帯断裂」。先進ドイツはどう対処しているか (3ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by Getty Images

「私の任務は、負傷した選手をできるだけ早く復帰させること。そしてその際、負傷箇所のパフォーマンスを可能な限り以前と同じレベルに戻すことだ。しかし、大ケガをしてしまった選手が予定よりも早く復帰してしまった場合、何が起こるかはわかっている。特に前十字靱帯断裂のような場合だと、2度目の同箇所の負傷が意味するものは、キャリアの終焉だ」

『Fußballverletzungen.com』によると、過去6年間の統計では、前十字靱帯を断裂したブンデスリーガ選手の22.5%は、程度の差こそあるものの、復帰から6カ月以内に再び何らかの問題がヒザに生じていたという。

 10~20年前と比べて試合の強度は格段に高まり、選手にかかる負担も増加している。そのため、各クラブの医療スタッフが全力を尽くしても、約4人に1人は再びケガに悩まされてしまう。悲しいかな、それがブンデスリーガの現状であるようだ。

 長いリハビリを経てチーム練習に合流した宮市。このまま完全復帰を果たし、彼がピッチに立って躍動してくれることを心から願っている。

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