森岡亮太、ベルギーでの成功を語る。
辺境からW杯へ、すさまじい出世 (3ページ目)
レギュラーシーズンの最終戦を終えた同じ日、ドイツ国境の町オイペンでは豊川雄太が途中出場で3ゴール・1アシストをマーク。神がかった活躍でチームを最下位から15位へと押し上げ、一部残留の大ヒーローになった。
「すごいですね。もう、レジェンドになってますやん」
今季のベルギーリーグで、森岡、久保裕也(ゲント)に続き、3人目の日本人プレーヤーが突如、現れた。
「日本人は、わりとヨーロッパでできるんじゃないですか?」
自身の経験と感触からか、森岡はそう言った。しかし、これまでベルギーに来たフィールドプレーヤーの日本人は、志(こころざし)半ばにして皆、日本へ帰っている。
「それまで誰も成功してなかった。だから、(ベルギーで結果を残している)久保裕也が神なんですよ」
ならば、森岡自身はベルギーに着いたとき、久保の成功例に刺激されたのだろうか?
「いや、そんなことは考えてませんでした。言っちゃあ悪いですけど、『やっとサッカーができるな』という心境でしたので」
ヨーロッパで活躍することを夢見てポーランドリーグには来たものの、「パワーサッカーがほとんどのなか、さらに下位チームにいたので(思うようなサッカーができずに)難しかった」と森岡は振り返る。今から1年前、まだ森岡は厳寒のポーランドで"明日"を模索していた。しかしその後、森岡はベフェレン→日本代表復帰→アンデルレヒトと、ものすごい勢いで前進を続けている。ハリルジャパンのベルギー遠征(3月23日・マリ戦、3月27日・ウクライナ戦)メンバーにも選ばれ、6月のW杯でも選出が有力視される。
マイナーなポーランドリーグでプレーしていたので、森岡はヨーロッパでも日の当たらぬリーグで戦う日本人選手の気持ちをよく理解している。自分が今後もステップアップしていけば、そんな彼らへの励みになることもわかっているのだ。
「日本人は、わりとヨーロッパでできるんじゃないですか?」。そのひと言には、有名選手から無名選手まで、ヨーロッパで挑戦する多くの日本人に対する想いがこもっている。
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