2018.02.21

大丈夫か?「らしくない」バルサ。
弱気なチェルシーの戦術に救われる

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 チェルシー対バルセロナは、チャンピオンズリーグ(CL)のなかでも1、2を争う看板カードとして位置づけられる。チェルシーが金満クラブ化し、ジョゼ・モウリーニョが監督の座に就いた2004~05シーズン以降、両者は決勝トーナメントで4度対戦(8試合)。五分の成績(2勝2敗)を残している。

 すべてが大接戦だった。第1戦、第2戦の通算スコアが1点差だった対決は3回。アウェーゴールルールでの決着が1回。2004~05シーズンの決勝トーナメント1回戦、そして2008~09の準決勝は、なかでも名勝負として知られている。だが2011~12シーズン以降は1度も対戦しておらず、今回は6シーズンぶりの対戦となった。

チェルシー戦の75分、同点ゴールを決めて喜ぶメッシとイニエスタ その間、お互いに監督交代を繰り返し、現在に至っている。両者のスタイルはどのように変化し、それがこの看板カードにどんな影響を及ぼすのか。

 勝利を追究しながらも、クルマの両輪のように娯楽性をも追求するバルサに対し、とりわけモウリーニョ時代のチェルシーは、真逆なコンセプト──現実的なサッカーで臨機応変に対応していた。高いボール支配率を武器に攻めるバルサ。その間隙を突き、カウンターを拠りどころに反抗するチェルシー。それぞれの持ち味がピッチ上で交錯し、そこで生じる化学反応こそが名勝負の源になっていた。

 どちらが主役だったかと言えばバルサだ。世界的にもまれな哲学を持つバルサが、それを頑なに貫くほど、チェルシーの魅力も全開になる。そうした図式だった。

 チェルシーが勝利した2004~05シーズンの決勝トーナメント1回戦でのことだった。第2戦をホームで観戦したチェルシーファンの老人は、試合後、紅潮した顔でバルサを讃えた。