大丈夫か?「らしくない」バルサ。
弱気なチェルシーの戦術に救われる (4ページ目)
イタリアが一時代を築いたのは90年代前半だが、その時の武器はプレッシングだった。守備的と言われるイタリアだが、時代を築いた方法論は攻撃的サッカーだったのだ。
モウリーニョもけっして攻撃的な監督ではなかったが、かといって守備的なサッカーでもなかった。臨機応変こそを最大の売りにする監督という点で、コンテとは異なった。モウリーニョなら、いまのバルサに5バックで自ら後ろを固めるような真似はしないだろう。
バルサはチェルシーに助けられた格好だ。アンドレアス・クリステンセンの不用意な横パスをカットしたことで奪った同点ゴールだけではない。その必要以上に守備的なサッカーに助けられた。
本来の"色"を失ったバルサと、これまで以上に守備的だったチェルシー。名勝負を演じてきた過去が偲ばれる試合になった。
アウェーゴールを奪ったバルサが有利な立場で迎える第2戦(3月14日)。だが、サッカーがこのままなら、その先は暗いと言わざるを得ない。チェルシーも同様だ。たとえバルサに勝利しても、その株が上がることはないだろう。この両チームは今季のCLの中心には位置していない。そう判断したくなる一戦だった。
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