乾貴士いるところにチャンスあり。その存在がエイバルの強さを支える (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by fotopress/Getty Images

「岡ちゃんからアドバイスを貰ってから、やっぱり意識して中に入るようになった。ゴールに近づいていると思う。今日、獲れなかったのはすごく残念だけど、自分にとっていいチャンスもすごくできているので、いいことだと思っている」

 73分、オレジャナのファーストタッチゴールを生み出したFKは、乾がもらったファールからだった。また、その4分後のセルジ・エンリッチのヘディングによるゴールも、乾が左サイドでホセ・アンヘル"コテ"へと繋いでラストパスとなった。数字という結果には残らないものの、チームの得点に乾はことごとく関与している。

 ゴールへの意欲。

 それを強く感じさせたのは14分のプレーだった。右サイドのカパのクロスに、乾は珍しくヘディングで合わせる。ゴールの枠を捉えたそのシュートはラス・パルマスGKレアンドロ・キキツォラの好守に阻まれた。しかしそれは、サイドに張っているだけでは生まれなかったチャンスだった。この試合、最後のパスこそ通らなかったが、通れば決定機というポジションに乾は何度も位置していた。

「来ないときもあるし、この間みたいにこぼれ球がくることもある。続けることだけだと思います。毎回毎回点を獲れるとは思っていませんが、この動きを続けてコンスタントに点を獲れることが一番だと。続けて点を獲れる位置にいることを意識づけしていきたいです」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る