乾貴士いるところにチャンスあり。
その存在がエイバルの強さを支える

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by fotopress/Getty Images

 いまのエイバルは強い。

 2018年最初の試合、エイバルはアウェーでラス・パルマスと戦い、新加入のファビアン・オレジャナとセルジ・エンリッチの得点で1対2の逆転勝利を飾った。これでチームは勝ち点を27に伸ばして順位は7位に浮上(第18節終了時点)。昨シーズンに続いて欧州大会出場権獲得の争いに身を置くことになった。

ラス・パルマス戦にフル出場、勝利に貢献した乾貴士(エイバル)ラス・パルマス戦にフル出場、勝利に貢献した乾貴士(エイバル) エイバルにとって前半はまさに"事故"のような試合展開だった。32分、ジョナタン・ビエラのPKで先制点を奪われると、主導権を握りながらも、新指揮官に地元ラス・パルマス出身のパコ・ヘメス(かつてラージョ・バジェカーノなどを率いた名将)を招聘して最下位からの巻き返しを図るホームチームを攻略できず、時間だけが過ぎっていった。

 だが、6試合連続無敗を継続中で自信と勢いを持つエイバルは、後半のわずか4分間でスコアボードの数字を逆転してみせた。そのきっかけとなったのは、中盤でエイバルの攻撃の芽を潰していたラス・パルマスMFセルギー・サンペルが68分に負傷で交代したこと。そして岡崎慎司(レスター)のアドバイスに従い、ゴールへの意欲を強く意識しているという乾貴士のプレーだった。

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