今季プレミアで見えてきた、カタールW杯はイングランドが優勝か? (2ページ目)

  • 井川洋一●文text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

【ロンドン3大名門クラブが抱える、それぞれの悩み】

 昨季の王者であるチェルシーは3位、トッテナムは5位、アーセナルは6位で今季の折り返し地点を迎えた。順位だけを見れば「悪くない」と言えるかもしれないが、実際にはそれぞれに問題を抱えている。

 チェルシーは、アントニオ・コンテ監督とフロントが補強方針を巡って対立していると伝えられる。また、指揮官の戦術に不満を述べたダビ・ルイスとも衝突しており、負傷が重なったこともあって、昨季の守備の主軸がピッチから離れて丸2カ月が経とうとしている。

 トッテナムはCLでレアルを破るなど昨季からの好調を維持していたが、10月下旬から突如としてスランプに陥った。ユナイテッドやアーセナルといったビッグクラブやレスターにも敗れ、ウェスト・ブロムら下位チームとも引き分けると、一部の現地メディアは「ポチェッティーノ監督が自身の本を出版してから不調がはじまった」と報じた。そこに根拠はなく、アルゼンチン人指揮官も「この職業について知ることのできる素晴らしい本だ」と反論したが、逆に「素晴らしい本」という発言だけを切り取られて揚げ足を取られる始末だ。

 アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、多くのサポーターから辞任を求められながらも契約を延長したが、早くもその決断を疑われることになった。メスト・エジルをはじめとする覇気のない選手や、練度の低いコンビネーションは、このフランス人監督の指導力の限界を示しているようにも思える。格下からの取りこぼしも多く、このままいけば欧州カップ戦の出場権を逃す可能性も。そうなれば、いよいよ長期政権に終止符が打たれるかもしれない。

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