困ったぞ、ハリル。ポーランドは弱点の守備もテコ入れ、監督も人格者 (5ページ目)

  • 遠藤孝輔●取材・文 text by Endo Kosuke
  • photo by AFLO

 その一方で、ディフェンスには隙がある。予選でクリーンシートを記録したのは敵地のルーマニア戦とホームのカザフスタン戦だけで、残りの8試合で計14失点を喫した。

 これは、ロシアへの切符を掴んだ欧州13ヵ国のなかでワーストの成績だ。前線から積極的に仕掛けるプレスが機能しなかった場合のリスク管理が甘いうえ、セーフティーリードを奪った際に集中を失いがちなど、問題は山積している。ディフェンスリーダーのグリクが持ち前の安定感を欠き、パフォーマンスにバラつきがあるのも不安要素だ。

 ただ、予選突破後のテストマッチ(11月のウルグアイ戦とメキシコ戦)では基本システムの4-2-3-1を用いず、新たに3バックを試していた。それも、守備のテコ入れを考えてのことだろう。

 今後も試行錯誤は続きそうだが、指揮官ナバウカには監督就任時にFIFAランク69位だったチームを現在の位置へと導いた確かな手腕がある。本大会まで残り半年ほどの準備期間で、懸案のディフェンスをみるみる改善させたとしても不思議はない。ワールドカップの組み合わせ抽選会後、そのナバウカはこうコメントしている。

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