うらやましいぞ、イングランド。U-17W杯も制した、この強さは何だ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

「(前半終了間際という)素晴らしいタイミングでのゴールだった。しかも完璧なクロスと、完璧なヘディングシュート。(まだ1点リードされていたが)ハーフタイムの雰囲気はポジティブなものだった」

 後半に入ると、さらに攻勢を強める白のユニフォームが、ジワジワと赤のユニフォームを押し込んでいく。

 すると58分、再び右サイドをコンビネーションで破ったセッセグノンのクロスを、フリーでゴール前へ走り込んだMFモーガン・ギブスホワイトが右足で合わせ、後半早々にして試合を振り出しに戻した。

 両チームにとって、この試合が今大会7試合目。先発でピッチに立っている多くの選手は、ほとんどフルに戦い続けていた。

 しかも、インドの高温多湿の気象条件に加え、良好とは言い難いピッチコンディション。足への負担も大きく、選手たちの蓄積疲労はピークに達していたに違いない。両チームともコンパクトな布陣を保つのが難しくなり、試合は時間の経過とともに、間延びしたなかにスペースが生まれ、オープンな打ち合いが繰り広げられるようになっていった。

 こうなると、分があるのは、個人能力で勝るイングランドのほうだった。とりわけ、圧巻の能力を見せつけたのが、左MFのカラム・ハドソン-オドイである。

 タイミングのいいフェイントや切り返しもさることながら、アクセルをブンとひと踏みするだけで相手DFを振り切れるほどの加速力を備えた背番号14は、左サイドから次々にチャンスを作り出した。決勝点となった3点目をはじめ、2-2からの3ゴールはいずれも彼のスピードと突破力が引き金となって生まれたものだ。

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