うらやましいぞ、イングランド。
U-17W杯も制した、この強さは何だ (3ページ目)
スペインのサンティアゴ・デニア監督が語る。
「イングランドの左ウイング(ハドソン-オドイ)は警戒していたし、そのための準備もしていた。(対面の)サイドバックだけでなく、(同サイドの)MFとふたりで対応するように指示していた」
だが、世界の頂点に立ったイングランドは、ハドソン-オドイだけを抑えればいいチームではなかった。デニア監督が続ける。
「左ウイングだけでなく、イングランドには他にもテクニックに優れた選手がいた。左利きの右ウイング(MFフィリップ・フォーデン)にしても、カットインして中に入ってくる。スペースが生まれやすい試合展開は、イングランドに合っていた」
大会MVPに選ばれたフォーデンをはじめ、イングランドはハドソン-オドイ以外にも、各ポジションに優れたタレントを擁していた。これといった穴がなく、ピッチ全体を使ってボールを動かすことができるからこそ、それぞれの個人能力を(それに依存しすぎることなく)効果的に生かすことができていた。
なかでも特筆すべきは、センターバックとボランチに、安定してボールを動かすことができ、攻撃の組み立て役を担える選手をそろえていたことだろう。
今大会やU-20W杯を見れば明らかなように、イングランドが現在、伝統的なイングランド・サッカーからの脱皮を図っていることは間違いない。すなわち、ロングボールやアーリークロスを生かし、直線的に相手ゴールへと向かうスタイルから、ボールポゼッションを高め、低い位置からでもパスをつないでビルドアップするスタイルへの転換である。
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