2017.10.31

ドリブラー乾貴士がエイバルを救う。
「念願のポジション」で2点演出

  • 山本孔一●取材・文 text by Yamamoto Koichi
  • 川森睦朗●撮影 photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「勝ちたいですね。『3』がほしい」

 エイバルのホーム、イプルアで行なわれたリーガエスパニョーラ第10節レバンテ戦。2点をリードされながら2-2と追いついた試合後のミックスゾーンで、エイバルの日本代表MF乾貴士は何よりも勝利を渇望していた。

レバンテ戦の乾貴士は得意のドリブルで積極的に攻めた 1ヵ月以上も勝利から見放されている両チームの戦いに対し、スペイン紙『マルカ』はプレビュー記事で「火薬のない鉄砲対決」というタイトルをつけた。より深刻なのは、ホームのエイバルのほうだ。9月15日の第4節レガネス戦で勝利して以降、リーグ戦5試合勝ち星なしの4敗1分。5試合で計1得点16失点と、攻守ともに歯車が狂ってしまっている。

「前半の2失点。あれはなくさないと勝てない。今日のような試合をしてしまうと、やっぱり厳しくなる。ああいう失点は、ほんとにチームとしてなくさないと」

 レバンテ戦の前半は、まさに乾がそう振り返るとおりの展開だった。笛が鳴った直後から高いDFラインで前線にプレスをかけ、試合の主導権を握っていたエイバルだったが、35分と37分、守備陣の集中力が途切れてしまった2分間の、それぞれわずか数秒のうちに2本のシュートを被弾してしまう。

 逆転勝利を収めるには、今季の総得点(第9節まで合計3得点)を決めないといけない状況に追い込まれたホームチーム。霧雨が降るイプルアに集まったサポーターの多くは、そんな状況でも応援を続けていたが、苦しい戦いになったと感じていたはずだ。