「シンジ、頼む」。毎年チームの窮地を救う岡崎は、レスターの心臓部だ (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 今のレスターにとって、岡崎は間違いなく不可欠な存在である。岡崎が加わった攻撃は前節に比べて見違えるほどスムーズになり、前線からかける圧力の強度も上がった。しかも、高い位置でボールを奪えるようになり、最前線に陣取るバーディーの危険度も上昇。岡崎が執拗なプレスでパスコースを抑えることから、中盤でのボール奪取率も高まる。攻守両方でスイッチを入れる「レスターの心臓部」と、そう表現していいだろう。

 しかも、本人は好調を維持している。ここまで国内リーグ戦とリーグカップで出場したのは11試合中8試合で、限られた出番のなかでも計5ゴールというハイペースで得点を重ねている。また、10月の日本代表戦で未招集だったことから、今回のスウォンジー戦は約3週間ぶりの公式戦出場だった。十分な休養がとれたおかげで、リフレッシュした状態で臨めている。

 レスターに加入した2015年以降、シーズン中の監督交代は今回で2度目。いずれも、原点回帰をテーマに岡崎を先発に復帰させ、その日本代表もきっちり役目をこなした。

「点を決めていれば、『自分はやることをやれた』と自信を持っていけるので。まあ、これからですね。まだ始まったばっかりなので」と岡崎。

 チームは突然の監督解任に揺れているが、岡崎の考えにブレは一切なく、むしろやってやろうという気概に満ちているように映った。

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