ブンデスのビデオ判定で大論争も、
「感情論」だけの反対派はグダグダ

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 ブンデスリーガが開幕して1カ月が経過した。今季から導入されたビデオ判定は、技術的な問題によってオフサイド判定の補助を一時的に取りやめるなどの問題もあったが、徐々にリーグの一部分になりつつある。
 
ドルトムント対ケルン戦で、判定をめぐり主審に詰め寄るケルンの選手たちドルトムント対ケルン戦で、判定をめぐり主審に詰め寄るケルンの選手たち ブンデスリーガで導入された「ビデオ・アシスト」は、FIFAなどで導入されている「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」とは厳密にいえば異なる。VARはビデオ審判から報告を受けた主審がピッチ脇で実際に映像を見て判断を下すのに対し、ブンデスでは試合会場ではなくケルンの映像センターでビデオ審判が判定を訂正し、現場で笛を吹く主審は基本的にビデオ審判の訂正をそのまま受け入れる。主審の権限は制限されるわけだが、中断時間を短くすることで試合の流れが失われないように配慮したシステムと言える。

 ビデオ判定の導入には、判定をより正確にするだけではなく、プレースピードの向上によってもはや肉眼だけでは見極められなくなった審判を、批判から守る狙いもあった。「ビデオ判定は重要な場面で審判を助けているよ。より判定が正確になるなら、私はビデオ判定に賛成だ。誤審には試合を決定づけてしまうものもあるからね」と、ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督はビデオ判定を支持。実際に開幕節から試合を左右しかねない判定ミスがビデオ判定によって正されていた。

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