ブンデスのビデオ判定で大論争も、「感情論」だけの反対派はグダグダ (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 しかし第4節のドルトムント対ケルン戦で、ビデオ判定は新たな問題を引き起こしてしまった。ビデオ判定が行なわれたにもかかわらず、ルールに反したゴールが認められてしまったのだ。

 議論となるシーンが起きたのは、ドルトムントの1点リードで迎えた前半終了間際だ。ドルトムントのCKに対して、ケルンのGKティモ・ホルンがキャッチを試みるも、接触でバランスを崩してボールをこぼしてしまう。このこぼれ球をドルトムントのソクラテス・パパスタソプーロスがいち早く右足で押し込み、ネットを揺らした。

 このプレーに対し、パトリック・イトリッヒ主審はキーパーチャージがあったとして笛を鳴らし、ドルトムントのファウルを宣告。ところがビデオ判定の結果、ファウルはなかったという判定になり、ドルトムントのゴールが認められたのだ。
 
 問題は、ボールがゴールラインを越える前にイトリッヒ主審が笛を吹いてしまったことだ。主審が笛を吹いた時点でプレーは止まっており、その後ボールがラインを越えたならば、ルール上、ゴールは認められない。つまり今回のケースでは、ビデオ判定が行なわれたうえ、競技規則に則さない形でゴールが認められてしまったのだ。

 結果的にケルンは0-5で大敗。最下位に沈むチームにとって、前半終了間際の追加点が与えた影響は無視できなかった。

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