プレミア初昇格で3位。選手がファンと一緒に食堂の行列に並ぶクラブ (5ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 プレミアリーグに昇格したことで、すでにクラブは大きく変わった。「もう私たちは、ちっぽけなハダースフィールドではない。プレミアリーグの富にしっかり支えられている」と、会長のホイルは言う。

 コマーシャル・ディレクターのショーン・ジャービズは、提携を求める世界中の企業からの連絡をさばくのに大忙しだ。「メールが入ってきて読んでいると、すぐにまた10通くらい届くような状態。ワクワクするけれど、大変だよ」

 監督のデイビッド・ワグナーは言った。「私たちはハローとあいさつするためだけに、プレミアリーグに来たわけではない」

その言葉どおり、第3節を終えた時点でハダースフィールドは2勝1分で3位につけている。プレミアリーグでは、まだ失点を許していない。

 仮に1年だけでプレミアリーグから降格する結果が待っているとしても、選手もファンもこのシーズンを楽しむつもりでいる。生涯に1度のすばらしいシーズンになるかもしれないと、誰もが期待している。

 未知の世界での戦いに、ハダースフィールドの人々がそれぞれの立場から寄せる思いを聞いた。

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