関根貴大、ドイツ2部デビュー。身長164cmでも大男たちに負けず (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 チームメイトにカバーリングやパスコースを作ってもらうことはあまり期待できず、個人で状況を打開していかなければならない。ピッチは踏ん張ろうとすると芝がめくれ上がってしまうほど緩く、局面での相手の速い寄せもあって、ボールはなかなか足につかなかった。危険な位置で相手にボールを奪われ、カウンターを許してしまうシーンもいくつかあった。

「いつも通りできるとは思ってなかったですし、初めて立つピッチの中でどれだけ自分が冷静に落ち着いてやれるかとは思っていましたが、なかなかうまくはいかなかったです」

 とはいえ、環境に馴染めば十分にやっていけるだけの力があることは感じさせた。それはマイク・ワルプルギス監督が、加入から間もないこの試合において1枚目の交代カードとして途中起用したことからもうかがえる。

 試合前、地元紙『ドナウ・クーリエ』は、関根の第一印象についてこう記している。

「セキネは練習で目を引いた。まず164cmとピッチ上で最も小さく、軽い選手だからだ。そして俊敏で思いもしない場所に突然、現れるからだ。それだけでなく、彼はフィジカルでも自己主張しようとし、恐れることなく華奢な体を寄せた」

 その通りのことがレーゲンスブルク戦のピッチでも見られた。ボールはなかなか足につかなかったが、競り合いの場面では臆することなく相手選手に体を投げ出していった。

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