内田篤人、ウニオン・ベルリン移籍。
笑顔に隠されたウッシーの葛藤

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by KYODO

8月22日、ブンデスリーガ2部ウニオン・ベルリンの練習に参加した内田篤人8月22日、ブンデスリーガ2部ウニオン・ベルリンの練習に参加した内田篤人 8月21日、内田篤人のブンデスリーガ2部ウニオン・ベルリンへの入団が発表された。早速クラブはSNSを使って各種の広報活動を開始し、テキストでのコメントだけでなく、動画インタビューも公開。クラブオリジナルのツイッターは普段とは2桁も3桁も違う数のリツイートがされるなど、反応の多さに、期待と注目の高さが、文字通り桁違いであることがうかがえる。

 18日の金曜日、ユニフォームではなく白いシャツとデニムの内田が、険しい表情で代理人と歩いている姿をビルト紙にキャッチされた。契約解除に関するミーティングに出向くところだった。

 そこからわずか3日での入団発表。それは今回の移籍が、揉めることなくスムーズに決まったことを強く印象づけた。昨シーズン2部4位のウニオン・ベルリンがどれだけ内田獲得に熱心だったか。そしてシャルケが、7年間も在籍し、チャンピオンズリーグ準決勝進出やドイツ杯優勝など多大な貢献をした内田に対し、いかに敬意を払ったか。

 とはいえ、ここに至るまでに紆余曲折がなかったわけではない。ウニオンの監督がかつてのシャルケ指揮官イエンス・ケラーだったことが大きな決め手となったのは間違いないが、内田は「代理人には冬くらいから動いてもらっていたから」と言う。その間には葛藤もあった。

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