ミラノのダメチーム×2に復活の兆し。今季セリエAは昨年とここが違う (3ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko photo by Getty Images

 中でもライバルの最右翼はナポリだろう。ナポリの強みは何といっても昨シーズンとほとんど変わらぬメンバーで戦えるということだ。マウリツィオ・サッリ監督の指揮するテンポの速いパスサッカーはチームに浸透させるのに時間がかかるが、移籍の噂のあったドリース・メルテンスやロレンツォ・インシーニェらもチームに残り、開幕からナポリらしいサッカーをすることができる。

 選手を一新するチームが多い中、スタートダッシュで差をつけることができるかもしれない。ここ数年、上位をキープしながら、どうしてもユベントスを越えられないナポリ。最後に優勝したのはまだマラドーナを擁していた1989~90シーズンのこと。今年こそ、という気持ちは非常に強いだろう。

 その次に注目したいのはミラノの2チーム。ユベントスに次ぐ優勝回数を誇りながら、ここ数年まるで鳴かず飛ばずのインテルとミランだが、どちらも今年は最後の最後までスクデット争いに絡むと予想される。ただ、その理由はそれぞれ異なる。

 インテルの最大の武器は「監督」だ。新たに就任したルチアーノ・スパレッティ監督はバラバラ感の強かったインテルをほんの数週間でまとまりのあるチームに変身させてしまった。今のインテルは全てのプレーにきちんとした方向性があり、秩序だった動きができる。夏のプレシーズンマッチでは6勝1敗1引き分けの好成績で、バイエルンやチェルシーにも勝利しており、イタリア各紙は"夏のスクデット"をインテルに与えている。

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