コンフェデ杯開幕。W杯開催国ロシアのサッカーは、なぜ冴えないのか (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo Abaca/AFLO

 選手の大半が国内リーグでプレーしていることも影響している。大舞台慣れしているように見えないのだ。選手のポテンシャルも、及第点の選手は多いが、特別な選手は少ない。

 ベスト4入りしたユーロ2008のチームには、アンドレイ・アルシャビンという抜けた力を持つアタッカーがいた。ロマン・パブリチェンコ、ディニヤル・ビリャレトディノフ、ユーリ・ジルコフなど、その他にも好選手が多かった。ヒディンクの采配も光ったが、それなりに充実した戦力を誇っていた。

 しかし、長い歴史を遡っても、それ以上の選手は多く出てこない。過去にロシア出身者でバロンドールを受賞したことがある選手は、レフ・ヤシン(1963年)ただ1人。GKで受賞した唯一の選手だ。そういう意味では貴重な存在だが、フィールドプレーヤーは誰もいない。投票で3位以内に入った選手もいない。

 ついでに言えば、ソ連として準優勝した88年欧州選手権のGK、リナト・ダサエフも、ロシア出身で、バロンドールに値する名選手だと言いたくなる。あえてフィールドプレーヤーで挙げるなら、94年アメリカW杯で得点王に輝いたオレグ・サレンコぐらいだろう。

 オレグ・ブロヒン(75年)、イゴーリ・ベラノフ(86年)、アンドリー・シェフチェンコ(04年)と、3人のアタッカーがバロンドールを受賞しているウクライナ出身選手(ブロヒン、ベラノフは当時のソ連代表選手)に比べると明らかに見劣りする。

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