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バルセロナ新監督にチラつく
「ベニテスの大失敗」との不吉な共通点 (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 一方、エスパニョール、バレンシア、ビジャレアル時代に同監督が起用して先発に定着した選手は、カシージャ(現レアル・マドリード)やダビド・フステル(現ヘタフェ)など、ごく少数だ。フェルナンド・ジョレンテ(現スウォンジー)、アンドニ・イラオラ、イニャキ・ウィリアムスが主軸として成長したアスレティック・ビルバオとは、だいぶ様相が異なる。すでに確固としたヒエラルキーのあるバルセロナのロッカールームに変化をつけることは、容易ではないはずだ。

 レアル時代のラファ・ベニテスも、アスレティック・ビルバオ戦で8人の下部組織選手を起用するなど、積極的な内部登用を行なっていた。だが、その代償として、ハメス・ロドリゲスやイスコといった高額の違約金で獲得してきた選手たちの出場機会が減り、メディアから起用法に疑問を投げかけられた。

 なにより危惧されるのは、バルベルデにはヨハン・クライフやジネディーヌ・ジダンのような、ビッグクラブを率いるうえで、スター選手たちを納得させるだけの現役時代の実績とカリスマ性がないことだ。その点でも、現役選手として世界トップクラスのキャリアを獲得できなかったラファ・ベニテスとかぶってしまうのだ。

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