インテル退団濃厚の長友佑都。イタリア人記者が6年半の功績を称える (2ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 特に長友の場合、不運にも、非常にデリケートな試合で2度のとんでもないミスを犯してしまったことが響いている。

 最初のミスは昨年11月3日のヨーロッパリーグ(EL)、アウェーでのサウサンプトン戦でのことだ。サウサンプトンMFの左からのクロスを、長友が自陣ゴールへと入れてしまう。この一戦は、デ・ブールが解任され、暫定的にステーファノ・ヴェッキがチームを率いていた微妙な時期の試合だった。だが、ELで駒を先に進めるには、どうしても勝たなければいけない試合といえた。結局、このオウンゴールがインテルの希望をすべて消し去ることになってしまった。不運ではあったが、集中力に欠けていたこともあると思う。

 もうひとつは4月30日のホームでのナポリ戦。ピオリが指揮した最後から2番目の試合だ。このときはゴール前に上がったクロスの処理を長友がミス。クリアするどころかホセ・カジェホンへのアシストとなり、ナポリの決勝点を生み出してしまった。来季のEL出場権を手に入れるため、6位以内を目指していたインテルは、1試合も落とせない状況だったのだが......。

 残念なことに、このふたつの決定的なミスは、インテリスタの脳裏に強く焼き付けられ、長友の今シーズンは「失敗」の烙印が押されてしまった。インテルに来てからの長友を見ている限り、こんなミスを犯すことは珍しい。

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