CL決勝最大の見どころは、レアルの左サイド対ユベントスの右サイド (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 この日2トップを組んだクリスティアーノ・ロナウドもしかり、だ。ウイング兼ストライカー。ベイルが故障で欠場し、3トップが2トップに変わってもなんとかなってしまう理由は、彼らのFWとしての幅の広さにある。ドリブルで相手の逆を突くボール操作術である。真ん中しかできない単調なFWではないところがベンゼマの強みであり、今日的なFWとしてのあるべき姿だろう。アトレティコのアントワーヌ・グリーズマンも、ウイング兼ストライカーを代表する選手である。

 さらに言えばリオネル・メッシ、ネイマール、ルイス・スアレスも、そのセンスがある。バルサでかつて、メッシの脇で左ウイングを務めたティエリ・アンリも、ウイング兼ストライカーだった。

 そのアンリ2世の呼び声高いキリアン・ムバッペ。4-4-2で戦うモナコでは2トップの一角を占めるが、アンリのように左ウイングでプレーすることができていれば、ユベントスとの準決勝第2戦、前半終了時までに通算スコアを0-4(第1戦0-2)とされることはなかったのではないか。

 第1戦同様、モナコはユーベのダニ・アウベスにMVP級の活躍を許した。前半33分、マリオ・マンジュキッチのゴールをアシストされ、その11分後には、彼本人にミドルシュートを叩き込まれた。

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