レスターを蘇らせた岡崎慎司の雑草魂。
次は日本代表を救えるか (3ページ目)
このマンチェスター・U戦で先発した岡崎は、精力的に走ってチームを助けていたが、戦術的理由により前半だけで交代を命じられた。言わば、「采配の犠牲」となる形でピッチを退いたが、クサる素振りも見せずに前を向いていた。
チームが呪われたように勝てなくなり、自身の出番が減っていった12月以降は、日本代表FWも相当精神的に堪えていたに違いない。しかし本人は、「雑草魂」と言うべき不屈の精神でこの苦境に耐えた。いずれチャンスは来ると、そう信じていたのだろう。
そんな彼に転機が突然訪れる。2月23日、ラニエリ電撃解任――。
アシスタントコーチのクレイグ・シェイクスピアが監督に昇格すると、昨季躍進の原動力だった「プレッシングサッカー」へとチーム戦術を修正し、スタメンも昨季の優勝メンバーに戻した。岡崎の風向きは一気に変わり、サブからレギュラーに復帰したのだ。しかしその裏では、不遇をかこったラニエリ時代も「『絶対に使ってくれ!』と思いながら、練習でも(手を)抜かなかった」(岡崎)とアピールを続けた日本代表FWのひたむきな姿と努力があった。
こうした経緯を経て、岡崎はW杯最終予選に挑む。
3 / 4