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悔しさのあとに笑み。吉田麻也が
イブラヒモビッチと対峙して掴んだもの (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 また、英紙『デイリー・ミラー』が7点(10点満点)の高評価をつけたように、センターバック(CB)の吉田も奮闘した。チームは3つのゴールを許したとはいえ、吉田自身にミスはなく、むしろ目立ったのは堅牢なディフェンスだった。

 DFラインの背後へ走るイブラヒモビッチにスルーパスを出された場面では、すばやく反応してボールに追いついてクリア。そのイブラヒモビッチからボールを奪い、MFアンデル・エレーラの寄せにも屈せず前方へボールを運んだ際には、スタンドから吉田を称えるチャントが聞こえた。危ないと感じればスライディングタックルで敵を潰し、ビルドアップでも速い縦パスで攻撃のリズムを生んだ。

 一方で吉田は、リーダーシップも発揮した。CBのコンビを組む23歳の若いDFジャック・スティーブンスに指示を出して最終ラインを統率すれば、自軍のゴールが生まれたシーンでは、両手を広げて味方を力強く鼓舞していた。「このチームに足りないのはタイトル。成長過程の区切りとして、タイトルを獲得するのは、僕にとっても、チームにとっても非常に大事なこと」と試合前に決意を語っていたように、プレーでも、気持ちでも、サウサンプトンを引っ張った。

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