岡崎慎司、ついに「道が見えた」。
ラニエリ電撃解任→原点回帰で快勝
まるで、昨シーズンの得点シーンのようだった。
鋭いスルーパスからDFラインの背後へ飛び出すと、FWのジェイミー・バーディーがニアの狭いコースをシュートで突き、鮮やかにゴールネットを揺らした。批判にさらされていたイングランド代表FWは、コーナーエリアまで爆走。フラッグを思い切りよくパンチすると、2トップで先発した岡崎慎司も、誰よりも先に祝福しようと彼のもとへ駆け寄った。GKのカスパー・シュマイケルが拳を固めて歓喜すれば、クレイグ・シェークスピア暫定監督もガッツポーズ。得意とするカウンターアタックで、レスターが先制ゴールを挙げた瞬間である。精力的なランでボールを奪取する岡崎慎司 クラウディオ・ラニエリ監督の電撃解任から4日後の2月27日。レスター・シティはホームに強敵リバプールを迎えた。試合前の順位は、降格圏の18位。しかもラニエリの解任について、英メディアでは「選手の造反」との憶測報道が蔓延し、チームには極度のプレッシャーがかかっていた。だが、そんな重圧をものともせず、3ゴールを奪っての快勝(3-1)。国内リーグの連敗を5でストップし、無得点試合も6で止め、チームは残留圏の15位に浮上した。
「勝因は?」と問われれば、「昨季のプレースタイルを取り戻したから」と答えるしかないだろう。昨季の基本型である4-4-2に戻し、前線から積極的に敵を捕まえに行くプレッシングサッカーに立ち戻った。先発メンバーも昨季優勝時の選手が中心で、退団したMFエンゴロ・カンテ(現チェルシー)の代役として、彼よりも強さと高さで勝るMFウィルフレッド・ディディが存在感を示した。
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