香川真司に危惧される「ベンチ慣れ」。CLベンフィカ戦も出番なし (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 2017年に入って、このベンフィカ戦を含めた6試合で香川が出場したのは2試合のみ。先発はブレーメン戦の1回で、途中出場は先週末のダルムシュタット戦だ。気になるのは、どうも香川が現在のこの状況に、悪く言えば慣れてしまっているように見えることだ。

 例えばドルトムントに復帰した2014~15シーズン。出場機会が減った時期は、そのことにイラつき嘆く気持ちが伝わってきた。その前のマンチェスター・ユナイテッド時代は、たとえ出場機会が減っても、「全試合でフル出場」と、欲求がはっきりしていた。

 だが、このベンフィカ戦後の香川はこうだ。

「まあ、出られなかったので。準備はしていましたけどね」

 悔しさを押し隠すというよりも、ただ、ぶっきらぼうに言うのだった。どうもこれまでとは違う。

 この日のドルトムントのシステムは3-4-3。中盤の底に入るユリアン・ヴァイグルとワントップのオーバメヤン以外は流動的に動く。だが、オーバメヤン、ウスマン・デンベレ、マルコ・ロイスの高速3トップと、彼らにスピードがついていかない中盤の選手たちとの関係も悪く、攻撃はなかなか機能しなかった。そんな攻撃陣を眺めながら、香川は自らのプレーに思いを馳せていた。

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