敗戦がもたらす原口元気の意識改革。「チームを変えるのも僕の仕事」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ヘルタの戦いは守備から始まる。この日はその守備が功を奏した。

「前半も後半も、基本的にいい守備ができていたと思います。もちろん危ないシーンもありましたけど、基本的にはみんなでヘルタらしい戦い方ができていた。相手もうまくビルドアップしてなかったし。(前線にボールが)入ったところでもボールが取れていた。予定通りというか、いい試合ができたんじゃないかなと思います」

 ユリアン・ヴァイグルを中心とするドルトムントのカウンターの起点を抑え、早い段階で出てくるロングボールも、高速フォワードたちへの対応もうまくいった。

 そんな中でヘルタはカウンターから前半27分にサロモン・カルーが先制。後半開始直後に追いつかれると、その後は互いに中盤を省略したようなオープンな展開になる。ドルトムントの個人技による攻撃をしのぐことはできたが、追加点は奪えなかった。

 原口はいつもと同じジレンマを感じていた。簡単にいえば、それは原口自身のボールの受け手としてのイメージを、ボールの出し手にどう理解させるかというものだ。

「走っていて歯がゆいんですね、そこは。『こうしたらいいのにな』というのが自分の頭にあるのに、なかなかそれが出てこなくて。それがガンガン出てきたら、何か仕事ができるのかなというのがあるし」

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