武藤嘉紀と宇佐美貴史。同い年のアタッカーが考える「スタメン奪取法」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ともに1992年年生まれ。ブンデスリーガ第20節、武藤嘉紀のマインツと宇佐美貴史のアウクスブルクの対戦は、マインツが2-0の勝利を収めた。後半戦、ホームでの初白星とあって、マインツの金曜の夜は大いに盛り上がった。

ドイツで初めて同じピッチに立った武藤嘉紀(右)と宇佐美貴史ドイツで初めて同じピッチに立った武藤嘉紀(右)と宇佐美貴史 だが、日本人ふたりに目を向ければ、武藤は70分から、宇佐美は90分からの出場。ともに苦しい現状があらわになった一戦だった。ちなみに今季前半戦の対戦では、武藤は66分から出場して1得点を挙げ、宇佐美はベンチ入りしたものの出場なしに終わっていた。

 10代前半から天才肌のプレーヤーとして脚光を浴び、ロンドン五輪メンバーにも最年少世代として滑り込んだ宇佐美に対し、当時はまだ頭角を現しておらず、大学を経て日本代表に上り詰めた武藤。だがドイツでのキャリアに関していうと、宇佐美はバイエルンとホッフェンハイムで苦い経験をした後、ガンバ大阪を経て2度目のチャレンジ中。一方、武藤はマインツでの2シーズン目で、昨季はケガでほぼ半分を棒に振りながら7得点の好成績をあげるなど、対照的な道を歩んできた。

 だが、そんな武藤もここにきて、これまでで一番厳しい状況に置かれている。

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