ラニエリに翻弄された岡崎慎司が、「準レギュラー」から脱するには? (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 ところが、先発はスリマニが優先され、ベンチを温めるようになる。それでも岡崎は自分にしかできないプレー、つまり、中盤と前線をつなぎながらゴールを目指す動きでアピールし、第9節のクリスタル・パレス戦から定位置を掴んだかのように見えた。

 しかし第11節のWBA戦、前半の45分間だけで交代を命じられた。岡崎のプレーに落ち度はなかったが、肝心のチームがまったく機能しなかった。すると、ラニエリ監督は前半だけで岡崎を引っ込め、後半開始時からバーディーを投入した。レスターはその後半にふたつのゴールを許し、1-2で敗戦。以降、岡崎は先発とベンチスタートを繰り返すようになった。

 おそらく日本代表FWも、この采配には思うところがあったのだろう。翌節のワトフォード戦後に「ちょっとチャレンジしてみようかな」と宣言し、せきを切ったように語り始めた。

「試合に出られなくなっても、開き直っていこうかなと。練習から勝負する。このチームは今後も勝ったり、負けたりだと思うんですけど。自分は、そういうジレンマのなかでやるのはもうやめた。もちろん、守備もちゃんとやります。ただ、このタイミングで点を獲り出したら、今までチームありきと考えていた自分を変えられるかもしれない。だから、そっちで勝負していこうかなと」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る